機械設計と聞くと、バリバリの理系っぽくて、なんだか難しそう。。 というイメージを持たれるかもしれませんね。
確かに、機械を考えるにあたっては、メカニズムや動作や力の理屈などの技術や知識の面は持っておく必要があります。 それなりの勉強や基礎は必要ですけど、それはある程度経験を重ねればなんとかなるものです。 むしろ、それよりももっと大事なことがあります。
それは、〝聴くこと〟と〝想像力〟です。
そんなことをいうと、機械設計とは全く関係ないのに! って、思われるかもしれませんね。 ボクは、機械設計をする上でこの2つが最重要だと思っています。 なぜ、大事なのか? 少し説明しますね。
機械とは、それを使う人や欲しい人がいて初めて成り立ちます。 ですので、使う人や機械が欲しい人の話をじっくり聴くことが大切なのです。
仮に、ものすごく性能がよい機械であったとしても、その性能がそれを使う人の意に反しているのであれば、すごく使いづらい機械ということになってしまいます。
だからこそ、例えば、その人、あるいは生産現場が何に困っていて、どういう風にしたいのか? 人の動線やモノ、情報の流れ、使い勝手はどうしたいのか? 彼らの意見や話しを聴くということが重要になってきます。
聴くことによって、機械を製作していく上での課題が明らかになるからです。 また、聴くことへのコツは、『先入観を持たないこと。』です。
〝これは、こうに違いない。 ・・・のはずだ。〟 みたいに勝手な先入観や思い込みを持って聞いてしまうと、もしかすると、間違った認識が生まれてしまう可能性が生じます。 認識が間違ってしまうと、当然、出来上がった機械も的外れになってしまいます。
フラットな姿勢で、相手の欲してることを聴く。 単にヒアリングするというよりは、〝傾聴する〟と言うことの方が当てはまりますね。 本当に困ってること、やりたいこと、欲していることは何なのかを真摯に聴き取るのです。 よく聴いた上で、その次には、最大限の想像力を働かせるのです。
物理的にできるできないは、ひとまず、置いておいて、
『こうすればどうだろう? あぁすればどうだろう? こんな形はどうだろうか? こういう機能はどうだろうか?』
全体的なイメージ。 機械を現場に置いたときのイメージ。 使い勝手のイメージ。 動作的なイメージ。 など・・・ 出来得る限りの想像力を膨らませて、機械を考えるのです。
動作や運用面を含めて、機械としての全体像を掴めるくらいに想像力を行使することができれば、後の具体的な設計は非常に楽になります。 なぜなら、イメージに従って設計していけばいいからです。
結局のところ、聴くこと、想像力を最大限に働かせることは、機械を設計していく上での〝段取り〟になるというわけです。 段取りが十分になされていれば、作業のスムーズに進めることができますよね。
そうすることで、より使い勝手がよい機械ができます。
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