ものづくりは、ひとづくりから。
機械を作る仕事をしながら、ずっと感じてきたことがあります。
どんなに良い機械を入れても、使う人の気持ちが整っていなければ、機械は動かない。
技術や知識を伝えることは大切です。でも、それ以前に大切なことがある。
スタッフが自ら考え、自ら動ける環境をつくること。
それが「ものづくりはひとづくり」という言葉に込めた意味です。
2つの体験談を聞いてもらえますか?
ボクの体験談。
これは、ボクのちょっとした体験談です。
体験談①「社長の想いが、現場に伝わっていなかった。」
ある自動化の案件でのことです。
社長から「この先のことを考えて、手作業をやめて自動化したい」という依頼を受けました。最適な装置を設計し、無事に納品できました。
ところが、その後に問題が起きました。
工場長が機械化に反対していたんです。打ち合わせのときから乗り気ではない様子でした。
「機械は遅い。人手の方がいい。そもそも、機械を入れるのは反対だったのに…」
結果、導入された機械はうまく使われないまま…という状況になってしまいました。
社長の想いは正しかった。機械の性能も問題なかった。
でも、工場長と現場スタッフが置いてけぼりになっていた。
機械の問題じゃなかった。
「人の合意」の問題だったんです。
体験談②「ぼく、今日この機械が入るなんて知らされてません。」
別の案件での搬入日のことです。
機械を搬入し、据え付けて、現場担当のスタッフへレクチャーしようとしたときに、衝撃の一言がありました。
「ぼく、今日この機械が入るなんて知らされてません。
それに、こんな機械を入れるなんて聞いてないです。」
すごく驚きました。
機械の仕様についても、現場スタッフの想いとは違うものになっていたかもしれない。
何のために、この機械をつくったんだろう…と、正直、心苦しかったです。
せっかくの機械。かかったコストも安くない。
それがうまく使われないのは、つくった側としても本当に悲しい。
現場スタッフが置いてけぼりになったまま、機械だけが入ってきた。
これは、機械の問題じゃない。
「伝わっていなかった」という、人の問題です。
機械の前に、整えるべきことがある。
この2つの体験から、気づいたことがあります。
機械がうまく使われない現場には、必ず「人の問題」が隠れています。
社長と工場長の意見のズレ。
現場スタッフへの情報共有のなさ。
「言われたことだけやる」という指示待ちの空気。
これらは、機械を入れても解決しません。
だから、時短設計®研究所では「しつもん経営会議」という取り組みをしています。
現場スタッフが本音で話せる場をつくり、自分たちで課題に気づき、動き出すきっかけをつくるグループワークです。